ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2

随一の大口径。画面周辺での鮮鋭度もすぐれた標準レンズの傑作

OLYMPUS OM-SYSTEM ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2 ズイコー 標準 50mm f1.2

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2
  • 画 質  ★★★★☆
  • 携帯性  ★★★☆
  • 希少性  ★★★★☆
  • 人気度  ★★★★★
  • 総合評価 ★★★★☆

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2

純正ガウスタイプ

◆愛称 「たまたま」
大口径にも関わらずフィルター径が49mmで、レンズ両端に比べピントリング部のふくらみが強調され、他のズイコーとはちょっと違ったデザインだ。まるでボールのような形状なので当初は「ボール君」と名付けていた。

だがそのzuiko 50mm/f1.2の実力は「玉の中の玉」といっていいほど。ボールぽい見かけと「銘玉」といえる実力を兼ねてるところから、ちょっとした遊び心で「たまたま」と名付けた。

◆良いところ
このzuiko 50mm/f1.2は、ズイコー随一の大口径ながら設計に無理がなく、画面周辺での鮮鋭度にもすぐれた標準レンズの傑作だ。この明るさに美しいボケ具合。一度使うとファインダーを覗くのが癖になってしまう。

絞り開放ではかなり甘い描写となりポートレート向きの柔らかい描写と言える。だがf2.8~f4まで絞れば十分な解像度とシャープネスを伴った非常に高い描写力を発揮する。

豊かな階調とクリアで深みある色再現性が素晴らしい。コントラストは全ての絞りでしっかりしている。最近接撮影距離も0.45mで日常マクロも使える。

~赤城耕一氏「使うオリンパスOM」より~
「描写性能はかなり高い。開放時は特別にシャープなわけではないが、コントラストが良好なため、実用絞りとして使うことができる。‥ハロは完全に消えてるわけではないが、ハイライト部分の滲みもわずかで、品の良い個性的な描写となる。」

◆悪いところ
開放ではハイライト部に少しもやっとしたものやら強いハロのようなものやらが出てきて柔らかくなる。それを悪いところとするかどうかは使い方次第だが、f2程度絞ることでハロも解消され全面で良像となる。

よくカミソリのピントと言われるが、そのとおりで被写体深度は紙のように薄い。開放では動く被写体を合焦させるのは相当な技術力が必要になる。フィルムのオールドOMカメラではファインダーが像が柔らかいので特にピントが分かりにくい。

これだけ明るいレンズでピントが合わせにくくなるというのは皮肉なものだ。まあ全ての大口径レンズの特徴でもあるので欠点とも言えないが、他に悪いところが見当たらないので書いてみた。

やはりF1.2の実力は相当のもので、ポートレートで目にピントを合せて、開放だと目以外はすべてピンボケで、まるでマクロ撮影をしているよう。それはそれで撮影が面白くなるのだが、撮りたい絵によっては長所の大口径が欠点になる場合もあるものだ。

~赤城耕一氏「使うオリンパスOM」より~
「明るいファインダーを楽しみ、あえてF2.8以上に絞る。そういう贅沢が、むしろ実用的。」

◆エピソード
zuiko 55mm/f1.2の後継レンズである。大口径化による諸収差を抑えるためには焦点距離が長い方が有利ということから、かつてはF1.2クラスのレンズの標準レンズといえば焦点距離は55mmが一般的だった。

ところがペンタックスが50mm/f1.2を発売。それをきっかけに、各社から50mm/f1.2が発売された。オリンパスもこの流れでzuiko 55mm/f1.2の後継として開発したものだろう。

各社こうした大口径のレンズ設計にはそうとう苦労をしているようで、マウントの大きさやフランジバックの距離などの諸制限で悩まされている。だがオリンパスはすんなりzuiko 50mm/f1.2を出した(ように感じた)。しかもこのスペックで49mm枠のフィルターだ。設計に余裕すら感じられるのだ。

開発者の米谷美久氏は「OMマウントは、超望遠レンズやf1.2クラスのレンズの使用を想定して設計された」と語っている。OMはマウントの設計当初からF1.2の使用を想定して作られているのだ。だから無理のない形状のレンズの設計が可能だったのだろう。

私は中古で購入しのだが随分安かった。相場の半額ぐらいだったのだ。なんでだろうと思ったらピントのゴムリングがひどく痛んでいたのだ。聞くと工業機械用のなにかの装置にくっ付けて使われていたそうで装置と固定させるためのボルトか何かでゴムリングが傷んでしまった個体のようだ。光学系には全く問題がなかった。

カメラ撮影以外の工業機械にこのzuiko 50mm/f1.2が採用され役立っていたと聞くとこのレンズの評価の高さが証明されているようでうれしい気がした。

その後、外観も美しいものを購入しなおしたが、もっぱらゴムリングが傷んでいる方が愛着が沸いてきてて普段使いに役立ってる。


<諸元>

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2

コーティングMC
画角 47°
レンズ構成 6群7枚
絞り・形式/範囲 自動/1.2-16
最短撮影距離 0.45m
最近接撮影範囲 24x16cm
ピント調節方式直進ヘリコイド
全長/最大径 43mm/65mm
質量 285g
フード φ51mmかぶせ
フィルター φ49mmねじ込み
発売時の価格 ¥80,000

 

<所有レンズのデータ>

所有No名称コードリア記号製造年月状態用途
Z018ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2 良好保存&常用

 

<作例>

ZUIKO AUTO-S 50mm F1.2」への2件のフィードバック

  1. こんにちは
    楽しくお写真拝見させて頂きました。
    フィルム時代はオリンパスカメラを愛用。90年代は他社のカメラがどんどん大きくなっていく中で、小型軽量ということが私にはすごく重要な要素でした。いつも肌身離さず、どこへいくときも持ち出していました。その頃のことが今ではとても懐かしいです。
    しかしフィルムからデジタルに時代は変わり、私自身も仕事で写真を撮るようになり、他社マウントに移行。ズイコーレンズとOM3tiは防湿庫に眠ったままになっています。とくに50mmf1.2と90mmf2は是非再度使ってみたいと常々思っているところでした。作例を拝見させて頂き、その思いがますます強くなってきました。現在はニコンのシステムを使っています。SONYのマウントを併用して、このレンズを使いたいと熱望している次第です。このレンズはおっしゃるとおりピント合わせが難しかった記憶があります。90mm f2もそうだったのですが。

    • コメントありがとうございます。
      ご覧いただきありがとうございました。
      かつてのOMへの想いが呼び戻されたようですね。
      OM3tiでたまには遊んでみてください。
      いいカメラです!(私は一番好きなカメラです!)
      90mmf2は現在3本保有しており2本は売りにだそうか検討中です。
      もしご希望であればご連絡ください。状態は(中古としては)かなりいいと思います。
      50mmf1.2の予備はすでに売却してしまいました。
      どぶねずみさんの写真活動が充実したものでありますように!

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